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海外情報トピックス

2023.12.28 中国

中国の貿易輸出と経済情勢

2022年~2023年現在に中国に於ける経済状況と世界主要経済体との比較概要

情報出所:TheGlobalEconomy(グローバルエコノミデータベース)

ODINマーケティング&コンサルティング分析

 

2010年代以来、世界中における消費国、生産国、資源供給国の3つのセクターに大まか区分しており、これらは世界経済圏内で互いに共存サイクルを構築している。

異なるエコノミコンセプト間では、まず補完関係を持ち、また、時に同じエコノミシステム内では良性的な競争関係を保ったりすることも必要である。

 

中国は正確に1990年代から共産主義下の封鎖的社会から、貧困脱出する為経済“民主”化路線へと当時の国家主席の鄧小平以降の経済政策改革を次第に推進してきた。

2000年~2010年の10年間は正しく中国での工業革命・経済革命・個人経済自由化という咲き乱れた時代であった。世界最貧困国家から一躍して、外資誘致、技術導入、貿易開放、国民の自由開業・創業など徐々に世界最大のインダストリーとエコノミマーケットの製造と消費市場両立出来た国へと蹶起したのだ。

2022年、アフターコロナと米中経済・政治闘争の悪劣な環境に置かれて、且つ欧米諸国のアメリカが主導する中国とのデカップリング包囲戦略に影響され、外資は中国から移出し、ティア2以下の都市では失業率が急増(ティア3都市以下では34%~40%)、ハイテック外資産業の技術移転などに直面している中国だが、2023年においてもGDPが19兆ドルと猶世界2位の座を据えているのも現実である。

 

欧米、日本メディア、台湾メディアの中国不況や外資撤退による失業率、中国国内経済環境の苦境にフォーカスしている反面、既に経済・産業技術・半導体・通信(5G/6G等)・衛星・軍事含む基盤を固めた経済大国として、当然持つべきリスクアセスメント能力に対して軽視する事は禁物。以下は世界主要各経済大国の貿易収支データで、より鮮明に中国の残存底力の概要を分析してみたい。

 

 

冒頭で述べた所謂消費国は西洋諸国が該当し、商品の取引の観点から見れば、消費国は世界の貿易不均衡をもたらす主要な国であり、同時に生産供給国でもあるが、特にアメリカは近年、世界の貿易総収支不均衡の大半を占めている事が判る。

 

逆に経済不況と注目されている中国では2021年まで4,628億ドルの貿易黒字を出しており、2位のドイツ2,289億ドルよりも2倍強の収益を得ている。

 

次に生産国としては中国を除く東・南アジア諸国、ドイツ(ハイテック・高付加価値)、一部の東欧諸国があり、生産国は世界の貿易黒字の主要な貢献者でもあるが、細分化すると、ドイツ、日本、韓国、台湾などは高度な製造業を中心で、他の南アジア諸国は主にミディアム・ローグレード製品の製造業が中心となっている(一部の東南アジア諸国でもサプライチェーンにおけるハイテック製品等を製造している)。

 

原料生産である資源所有国はロシア、オーストラリア、カナダ、中東、中央アジアなど挙げられるが、資源を一部独占している国の黒字または赤字の変動による、世界の川上に位置する市場商品価格の変動に左右させており、これらの国々は自国の所有する自然資産で常に貿易黒字を維持しやすくなっている。

 

 

インドは非常に特殊であり、各年度において世界第二の大きな貿易赤字国だが、通常の意味での消費国ともなりつつあり、具体的な経済データを見れば、同時に生産国としてのポジションで急速に成長している。同国では中国従来の低コストと高付加価値としての生産拠点の優位性が次第に国の経済体制のアップグレードによって、インドに取り替われつつあるという現実もあり、インド自体もこれで貿易赤字が今後縮小する趨勢を見せてくれるのであろう。

 

要約すると、商品の取引の観点から見れば、消費国は需要を提供し、生産国の輸出を引き出す・競合する、資源所有国の経済・国際紛争と言った背景に牽引され、川下である末端商品価格を左右し、これにより世界経済が波を打つ形で脈動する。逆に、消費国の需要が低下すると、世界経済は停滞になり、少なくともここ数年はアフターコロナ時代で大まかにそうなっていたが、回復時期に突入していると見せている。

 

アメリカは世界最大の消費市場の一つであり、ドルは世界通貨としての地位を持っているため、ドルの緩和政策はアメリカの消費力を引き上げる事に貢献した。また、市場需要の増加で生産国の輸出を引っ張り出し、資源所有国の原料原価値上がりによる、商品価格も上昇させ、世界経済にとっての指標の一つでもあるが、ウクライナとロシア戦争やパレスチナとイスラエル紛争といった地域動乱に軍事支援の支出と国債未償還、失業率、製造業の回流など諸問題に注力し難く、2022年に次ぐ、2023年では過去最大の貿易赤字を出し続けている状況である。

 

一方的な数字や表向きのデータは時折傍観者の観点と思考を左右させ、客観的且つ公平的に判断すること自体が難しく、如何に中国はじめ、世界の情勢を見極められるかは、多方な視点で状況を分析し、メディアや市販の市場調査データに頼りべからず、様々な情報を集め、哲学と科学併用するロジックで見る事が要なのではと考える。

 

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