台湾/中華圏/東アジア/ASEAN/日本/市場調査・ビジネスサポート・通訳
日本語English

海外情報トピックス

2023.12.25 台湾

台湾2024年総統選挙の行方

台湾では現在、来年2024年1月13日(土)に行われる総統選挙で、連続8年間執政してきた与党の民進党はじめ、最大野党である国民党ほか、台湾民衆党から計3組の有力と思われる総統・副総統候補で参戦しており、選挙活動が残り僅か3週間のカウントダウンで白熱化となった激戦を繰り広げている。

 

ODINでは過去1週間の各世論調査を整理してみた。

12月20日の大統領の政見発表会公にが行われ、民進党総統候補の賴清德氏の実家の違法建築にめぐる論争や頼氏が国土の不法占用疑惑で野党らからの矛先的となっている。

また、与党にとっての脅威である国民党の侯友宜(元新北市長)趙少康(国民党)チームのとの競争が更に死闘状態と言えよう。

 

各候補チームのメディア世論調査では、頼氏の実家の不法占有疑惑の影響の拡大で、国民党侯康チームの支持率がわずかに上昇し、賴蕭チームの支持率がわずかに低下している事が判った。

 

頼清徳氏(民進党)                 侯友宜氏(国民党)            柯文哲(民衆党)

 

12月13日から17日までの聯合報の世論調査によると、賴蕭チームの支持率は31%、侯康チームの支持率も31%と引き分け、柯盈チームは21%で最下位。

一方、ETtodayテレビの12月18日から19日の調査では、賴蕭チームの支持率は35.9%、侯康チームの支持率は34.7%、柯盈チームは19.6%と相変わらず民進党が微小にリードしているが、前回と比べて、賴蕭チームの支持率は約2.6ポイント下がった。

 

QuickseeK輿論センターの12月17日から20日の調査では、賴蕭チームの支持率は32.5%、侯康チームは27.2%、柯盈チームは26.7%で、上記2メディアの調査結果と異なり、与党同士の拮抗となっている。

(23日)頼氏の高雄で行われた選挙活動

 

台湾の政治形態は過去55年間における国民党の一党専制から2000年の総統選挙で初の政権交代以来、約8年おきに国民党と民進党の入れ替わり状態が続いてきたが、果たして今回の選挙結果は1政党につき8年間の政治生涯という宿命の縛りから解放されるのかは期待が高い。

台湾与野党の政治路線による、最も影響されるのは中華民国と中華人民共和国の政治と経済問題であり、対日米関係上では比較的に影響が少ない。

 

(23日)侯康氏台北で行われた選挙活動

 

(23日)新竹で行われた柯氏の選挙活動

 

また、中国は民進党政権の8年間においても政治的なスローガンでは反中と訴えるものの、皮肉にも中国は台湾にとって両岸経済協力枠組協議(ECFA)の加持の下、相変わらず最大の貿易黒字(5兆元/約25兆円)を貢献している輸出国である。今後の民進党が再度政権の防衛戦から成功した場合の反中政治路線による台湾経済は混迷するか、中国依存の脱出が成功するかは要観察である。

一覧を見る
当社のサービスに関するお問い合わせ、
その他お取引のご依頼につきましても
お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ ODIN