海外情報トピックス
食品の安心と安全はどこに?
大手製薬メーカー企業による食品への発がん性添加物の使用に対する懸念が、今まさに大きな社会問題に発展しそうな日本。
小林製薬が製造した紅麹(べにこうじ)の成分を含む健康食品を摂取した人が腎臓の病気などを発症し死亡例もある問題で、この健康食品に使われている原料が複数の卸売業者を通じてさらに別の企業に販売されていることが判明しており、大きな波紋を呼んでいる。 小林製薬は、そのような状況からも、「紅麹」の成分を含む「健康食品が原因となった可能性がある」として今月22日には、この成分を含む健康食品の自主回収を発表しており、また、卸業者を通じて小林製薬の紅麹原料を使用した製品を販売する飲料製品、サプリメント製品、お菓子など各メーカーによる自主回収を行う動きにまで発展する騒動となっている。
上左から:小林製薬による謝罪会見の様子のニュース(読売新聞オンライン)、小林製薬 紅麴コレステヘルプ(※現在はサイトから削除)ホームページ紹介
そのような中で、台湾でも同じような食品の安全性を脅かす問題が浮上しており、物議を醸しだしている。
問題とされているのは、台湾を含む世界各国で食品への使用が禁止されている工業用染料、スダンIII(蘇丹紅三號)を使用した長年の食品流通によるもので、驚くことに2018年からすでに使用されており、実態を散る由もない一般市民の怒りに触れている。
対象となる製品には、唐辛子、胡椒(コショウ)、カレー粉、キムチパウダーや、液体唐辛子、キムチ、インスタントラーメン、お菓子などと幅広く、比較的日常で手軽に広く食されるものに流用されている。学校給食や病院、高齢者施設などは香辛料の使用を停止しており、ファーストフード会社でも既にコショウとチリパウダーの供給停止を決定した企業もある。ただ、一部のメディア報道などで取り上げられている事象であり、日本ほど詳細な展開が把握しづらいといえ、台湾市民にとっては煮え切らない心境のようだ。
一部で報道されている内容によれば、仕入れ元は、発がん性の疑いがあるとされる添加物の使用を、この数か月間のことではなく、2018年からの数年間としているとされ、その販売先・使用先は明確に政府所轄や仕入れ他業者や使用メーカーなどからの公な報道にはいまだ至っていない現状が、日本との大きな相違点といえる。
今後も食に対する多様化や美味しいものへのこだわり・追及が広がるかと思われるが、今後、安心して食することができるように企業も良識ある環境づくりを担ってほしいと願う。